チャイルドシートは、赤ちゃんとの車でのお出かけに欠かせないアイテムです。では、チャイルドシートはいつからいつまで必要なのでしょうか?今回は、チャイルドシートの使用時期を解説します。取り付けるときの注意点やおすすめのチャイルドシートもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんはいつから車に乗れる?
赤ちゃんは、生まれてすぐの新生児(体重2.5kg以上)からチャイルドシートに乗せられます。出産した病院から、実家や自宅に帰るときに車に乗る方もいるでしょう。「新生児を揺れる車に乗せるのは不安…」と感じるかもしれませんが、きちんと対策をすれば問題ありません。
ただし、車での長距離移動は赤ちゃんの体に負担がかかってしまいます。この点を意識して、車での長距離移動は極力避けるようにしましょう。長距離を走る場合は、最低でも1時間おきに休憩を取り、お子さまをシートから降ろしてあげるようにしてください。また、赤ちゃんが車内で快適に過ごせるよう、日光やエアコンの風が直接当たらないようにしたり音楽の音量を下げたりと、環境を整えてあげることも大切です。
チャイルドシートはいつからいつまで使う?
買い物や保育園への送迎、実家への帰省時など、赤ちゃんと一緒に車に乗る機会は多くあります。赤ちゃんを車に乗せるときは必ずチャイルドシートを使用しなくてはいけませんが、いつからいつまで必要なのでしょうか。
新生児のときから必要
子どもと一緒に車で外出する場合、新生児のときからチャイルドシートを使う必要があります。「しっかり抱っこしていれば大丈夫」「チャイルドシートがなくても平気かな」と考えてしまうかもしれません。しかし、大人が抱っこしていても、事故が起こると場合によっては、赤ちゃんは車外に投げ出されてしまいます。
警視庁の「チャイルドシート関連統計」によると、チャイルドシートを使った場合と使わなかった場合では、死傷率が約5.3倍も変わるとされているのです。赤ちゃんの安全を守るためにも、必ず新生児からチャイルドシートを使うようにしてください。
法律上で6歳未満は着用が義務付けられている
道路交通法第71条の3 第3項で、6歳未満の子どもはチャイルドシートの着用が義務付けられています。チャイルドシートを嫌がってしまうこともあるかもしれませんが、法律で決められているためきちんと使用しましょう。子どもに、チャイルドシートの使用を習慣付けておくのがおすすめです。
また、子どもが6歳以上になったとしても、チャイルドシートは不要になるわけではありません。
これは一般的な車のシートベルトは、身長が140cm以上の人を想定して作られているためです。身長が低い子どもがシートベルトを着用した場合、事故の際に体を支えきれなかったり、ベルトが首にかかりやすくなったりする恐れがあります。子どもが6歳を過ぎても、身長が140cmを超えるまではチャイルドシートを使うようにしましょう。
チャイルドシートを前向きに切り替えられる時期
チャイルドシートの中には、後ろ向きと前向きを切り替えられる商品があります。こちらでは、チャイルドシートを前向きに切り替えられる時期について解説していきます。
1歳頃までは必ず後ろ向きで使用する
乳幼児の時期は、必ず後ろ向きでチャイルドシートを使用しましょう。乳幼児は頭が非常に重たいうえ、頭を支える頸部がまだ発達していません。そのため、前向きで座っているときに事故を起こしてしまうと、頭が前に飛び出してしまう恐れがあります。赤ちゃんの安全を守るためにも、後ろ向きで使うようにしてください。
身長や月齢、体重で判断する
チャイルドシートを後ろ向きから前向きに切り替えられる時期は、赤ちゃんの月齢だけではなく、身長や体重も含めて判断するケースもあります。一例をあげると、R129に適合しているチャイルドシート「i-arc360°」という製品では、身長が76cm以上かつ月齢15ヶ月以上で体重が19kgまでが前向きで使用できる条件です。赤ちゃんの月齢だけで判断せず、ご使用のチャイルドシートの説明書に準じて切り替えを行いましょう。
切り替えられる時期は商品によって異なる
後ろ向きから前向きに切り替えられる時期は、メーカーや商品によって異なります。いつ切り替えられるのかは、対象の身長や体重などで取扱説明書に記載されています。使い始めの際に取扱説明書を確認し、その内容に従うようにしてください。
後ろ向きで使い続ける方が安全
チャイルドシートは、事故が起こった際に赤ちゃんへの衝撃を軽減するために設計されています。後ろ向きで使うことで、事故の衝撃をチャイルドシートの背もたれが吸収・分散してくれるため、被害を軽減できる可能性が高まります。前向きに切り替えられる時期が来ても、商品の仕様をふまえた上で、赤ちゃんの安全のために極力後ろ向きで使い続けるのも選択肢の一つです。
チャイルドシートの選び方
チャイルドシートを購入する際、どのようなものを選べばいいのか悩んでしまう方もいるでしょう。そこでここからは、チャイルドシートの選び方をご紹介します。
安全基準で選ぶ
チャイルドシートの安全基準には現行基準の「R44」と最新基準の「R129」があります。(2023年3月現在)どちらも国際連合欧州経済委員会で制定された安全基準ですが、安全に基づいていくつかの項目が新たに見直されたのがR129です。
R129の主な変更点は、「後ろ向きで使用できる期間が延長された」「使用対象期間を身長基準に変更」「側面衝突試験が加わった」「衝突試験時の計測センサーが今までより追加された」の4点です。
身長によるチャイルドシートの使用選択
R44ではチャイルドシートは主に体重によって使用期間を定めていましたが、R129では主に使用する赤ちゃんの身長によって使用期間が定められます。
身長に合わせることで、より個人差の少ないチャイルドシートを使用するために設けられた基準です。
後ろ向き装着の必要期間
従来のR44では後ろ向きの装着は12ヶ月頃までとなっていましたが、R129では15ヶ月未満までに拡大されています。また身長による使用方法の制限に伴い、76cm未満の前向き使用もNGとなっているのも大きな違いです。
後ろ向き使用を長くすることで事故時の赤ちゃんの衝撃を軽減することが目的で、それに伴った設計への変更が各社で行われています。
試験項目の条件変更
試験時の項目追加もR44からR129への変更で大きなポイントです。R44では前後のみだった衝突試験に側面からの衝突実験も追加されています。
また衝突試験時に使用するダミー人形にも各箇所にセンサーが追加され、未熟な赤ちゃんの体にかかる衝撃を詳細にデータで検証することが可能になっています。
取り付け方法で選ぶ
チャイルドシートの取り付け方法には、シートベルト式とISOFIX式の2種類があります。シートベルト式とは、車に備え付けられている3点式シートベルトで固定するタイプです。車種を限定せずに使用でき、リーズナブルな商品が多くなっています。ただし、取り付けには少々コツが必要になります。
ISOFIX式は、シートベルトではなくISOFIX取り付け金具を使用するタイプです。チャイルドシートの金具を乗用車側のISOFIX固定バーに差し込むだけで設置でき、緩んだり外れたりする心配がありません。2012年の7月以降に販売された車種であれば、ISOFIX式のチャイルドシートが使用可能です。
年齢・体格にあったモデルを選ぶ
チャイルドシートのモデルや商品によって、目安となる身長や体重が異なります。また、新生児~1歳半頃までや0〜7歳までなど、チャイルドシートの商品によって対象年齢も変わります。商品に記載されている対象に適応しているかどうかをしっかり確認しながら、チャイルドシートを選ぶようにしましょう。
乗せ降ろしが簡単な商品を選ぶ
チャイルドシートを選ぶときは、乗せ降ろしのしやすさにも注目してみてください。例えば、シート部分が360度回転する商品なら、立って赤ちゃんを抱っこしたままドア側からの乗せ降ろしが可能です。また、シートごと取り外せるタイプの商品であれば、赤ちゃんをチャイルドシートに乗せたまま移動ができます。
シートのクッション性や通気性を確認する
シートのクッション性や通気性は、乗り心地に大きく関わる部分です。小さな赤ちゃんは体温調節機能が発達していないため、長時間チャイルドシートに座っていると背中や頭が蒸れてしまいます。
湿度がこもりにくい素材を使ったモデルなら、暑い時期でも快適に過ごせるでしょう。また、赤ちゃんを衝撃から守れるよう、側面や頭部のシートのクッション性も確認しておくのがおすすめです。
チャイルドシートを取り付けるときの注意点
チャイルドシートを取り付ける際は、いくつか気をつけるポイントがあります。使用する前に、以下の点を押さえておきましょう。
後部座席に取り付ける
チャイルドシートは、後部座席に取り付けましょう。助手席は衝突時にかかる衝撃が強く、エアバッグで圧迫されてしまう恐れがあります。子どもの安全を第一に考えて、後部座席に設置してください。
カトージでは、上記の理由から助手席へのお取り付けは推奨していません。
チャイルドシートはしっかり固定する
3点式シートベルトで取り付けるタイプのチャイルドシートは、座席にしっかりと固定してください。チャイルドシートがきちんと固定されていないと、シートがズレたり外れたりする恐れがあるため注意しましょう。
取り付け後はシートを揺らして、大きなグラつきがないか確認してください。また、取り付けた後も定期的に緩みがないかチェックが必要です。
ISOFIXで取り付けるタイプのチャイルドシートは、確実に取り付けできているかインジケーターなどで確認を行ってください。
おすすめのチャイルドシート3選
ここからは、おすすめのチャイルドシートをご紹介します。今回紹介するものは全て、最新の安全基準である「R129」のチャイルドシートです。ぜひ、購入の参考にしてみてください。
Joie チャイルドシート i-Arc360° 幌付き
「チャイルドシート i-Arc360° 幌付き」は、Joieというメーカーから発売されている商品です。ISOFIX取り付けタイプのチャイルドシートです。
「ガードサラウンドセーフティパネル」が装備されており、ドア側からの衝撃から赤ちゃんを守ってくれます。
シートの両サイドに回転ボタンがあり、回転操作がしやすく、片手で押すだけでシートを回転させることができます。
Joie チャイルドシート i-Arc360° 幌付き
nuna ベビーシート PIPA next N(グラナイト)
nunaの「ベビーシート PIPA next N(グラナイト)」は、チャイルドシートとしてだけでなく、ローチェアやトラベルシステム、キャリー、ロッキングチェアと5通りの使い方ができます。3.7kgと軽量なため、簡単に持ち運びが可能なのもポイントです。
シートベルトのみで取り付け可能で、乗用車はもちろん、飛行機の座席への取り付けも対応しています。
nuna ベビーシート PIPA next N(グラナイト)
Joie チャイルドシート アイ・スナグ2
Joieの「チャイルドシート アイ・スナグ2」も、赤ちゃんを乗せたまま移動ができるキャリータイプのチャイルドシートです。対応のベビーカーに装着して出かけられるだけでなく、チェアやバウンサーとしても使えます。
大きなキャノピーつきで、しっかり日差しをカットしてくれるため、暑い時期のお出かけにも便利です。赤ちゃんの成長に合わせて、ヘッドサポートの位置を変えられます。
Joie チャイルドシート アイ・スナグ2
6歳未満は必ずチャイルドシートを使いましょう
法律により、6歳未満はチャイルドシートの使用が義務付けられています。また、6歳を過ぎても身長が140cmになるまでは、子どもの身体や安全を守るためにもチャイルドシートを使った方がいいでしょう。本記事で紹介したおすすめのチャイルドシートを参考にして、どの商品を購入するか検討してみてください。